バードカービングについて

バードカービングは「鳥の木彫り」です。狩猟のおとり用の水鳥の木彫り(デコイ)がその起源と言われています。

バードカービングの製作は、完成形を想像しながら、はく製や写真を参考に鳥の実寸を元に図面を引き、図面から木材(チュペロという北米産の木材)をおおまかな形にカットアウトし、グラインダーを使って羽根を一枚一枚彫り出します。眼は、それぞれの鳥の種類に合ったサイズや光彩の色のガラスアイを埋め込み、脚は真鍮や銅線をはんだ付けし、パテで鱗を作ります。最後に水溶性アクリル絵の具で彩色をして仕上げます。また、止まり木や周りの背景(ハビタット)を作る場合もあります。

バードカービング作品への問い合わせ

バードカービング作品にご興味のある方は、以下のアドレスにメールでご連絡をお願い致します。


ecl05217@gmail.com

メジロとみかん

メジロは、ウグイスと混同されやすい身近な野鳥ですが、鮮やかな黄緑色の体と、目の周りを縁取る白い輪が特徴です。全長は約12cmでスズメより小さく、雌雄ほぼ同色です。樹木の枝葉の間を活発に動き回り、昆虫やクモ、木の実、花の蜜などを食べます。特に春には梅や桜、ツバキなどの花に集まり、蜜を吸う姿をよく見かけます。秋から冬には庭木の果実などにも訪れます。鳴き声は「チー、チー」「チュルチュル」といった細かな声で、複雑で美しいさえずりも魅力の一つです。

メジロとミカンは、とても相性のよい「冬の野鳥観察」の組み合わせです。冬にはミカンを庭先に置くと、比較的容易に姿を観察できます。

ところで、なぜ、この酷暑の夏にメジロとみかんを?という問いに対しては、作製の依頼があったからと応えるしかありません。

図柄的には、半分に切ったみかんの果汁を味わうような姿がいいとは思いますが、この時期のみかんは高級品です。半割してしまうと作品作製の期間中はもちそうにないので、敢えて一個のみかんの上にメジロを止まらせたという経済的な事情があります。ちなみに作製を終えて、みかんは果物好きの孫(2歳)が美味しそうに食べてくれました。

念のため、メジロが乗っているみかんは、今回、作製した木製のみかんで、食べられません。

コゲラ(日本で一番小さなキツツキ)

コゲラは、日本で見られるキツツキの仲間では最も小型の鳥で、全長約15cm、スズメほどの大きさです。林や公園、庭木など身近な環境にも生息し、「ギィー、ギィー」という独特の鳴き声や、木の幹を軽快に上下しながら餌を探す姿で知られています。観察には、落葉した冬の時期が適期です。早く暑い夏が終わって欲しいと思い、敢えてこの時期に投稿しました。

頭部から背中にかけては灰褐色で、背や翼には細かな白黒の横縞模様があり、腹面は淡い褐色に黒褐色の縦斑が入ります。雄の後頭部には赤い羽毛がありますが、普段は見えにくく、雌にはこの赤斑がありません。

木の幹や枝を鋭いくちばしでつついて、昆虫や幼虫を探すほか、木の実なども食べます。樹洞を利用して営巣し、繁殖期には木を連続してつつく「ドラミング」も行います。身近な雑木林から都市公園まで幅広く適応していることも、コゲラの大きな特徴です。

コルリ

知人から、「コルリを作って欲しい」との依頼を受けました。

恥ずかしながら、私はこれまでコルリは実際に見たことがないので、ネットなどでいろいろ下調べてみました。大きさは全長14cmほど、オスは体の上面、翼の上面、尾羽の上面のいずれもが暗青色、胸、腹など下面は白色をしていること、日本には夏鳥として東南アジアから初夏に渡ってきて、ササ類の茂った山地のブナ林などの地上近くで生活していることを知りましたが、写真はみつかるものの、正確なカービング図面の作成に必要な情報はなかなかみつけられず、とても苦労しました。

名前に「ルリ(瑠璃)」がつく日本の代表的な野鳥には、コルリの他に、オオルリ、ルリビタキがいて、「瑠璃三鳥(るりさんちょう)」と呼ばれているそうです。いずれもオスの体が美しい瑠璃色(鮮やかな青色)をしているのが特徴です。鳥の羽が青く見えるのは、色素によるものではなく、羽の微細な構造が光を反射・散乱させることで生まれる「構造色」という仕組みによるもので、光の当たる角度や見る位置によって、青の濃さが変わったり、緑っぽく見えたりします。カワセミの背中の羽がそのいい例です。名前に「ルリ(瑠璃)」がついていますが、いずれの種も同じような色彩ではありませんので、その違いを意識して彩色しましたが、とても難しかったです。

「不動の人気者」ハシビロコウ

ハシビロコウは、ペリカン目ハシビロコウ科ハシビロコウ属に分類される鳥類で、アフリカ東部から中部の湿地帯に生息する大型の鳥類です。

和名のハシビロコウ(嘴広鸛)は、漢字で「嘴(くちばし)が広い鸛(こうのとり)」。英名はShoebill、「靴(shoe)のような形のくちばし(bill)」を意味し、いずれもその特徴的な巨大なくちばしに由来しています。また、鋭い眼光で、獲物の魚を捕えるため何時間でも動かずにじっとしている習性があり、「世界一動かない鳥」としても知られています。このようなキモカワイイ独特な外見と生態から、写真集や書籍も販売され、非常に人気があります。

しかし、生息地の減少や乱獲により野生個体数は減少しており、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧II類に指定されています。ハシビロコウに会える動物園は日本で6カ所、全部で12羽だけ(2026年4月現在)なのだそうです。

今回のハシビロコウの作製にあたっては、インターネットの公開情報だけでは作成図面を作成するには十分ではなかったことから、新たな試みとして生成AIであるChatGPTを使って、バードカービング図面作成用プロンプトを入力し、得られた図面を参考資料として作製しました。ですので、real carvingという観点から、本物とは異なる部分があることをご了解いただければと思います。

今後、プロンプトを精緻化することにより、より実物に近い情報を基にした図面を作製できるようになるかもしれません。

シメ

シメは、本州では冬鳥で、11月頃に飛来し、翌年の春過ぎまで低地で過ごします。全身が茶系統の色合いで、体全体はずんぐりとし太め、「おじさん体系」で親近感を覚えます。

このシメの大きな特徴は、灰色の太くて短いくちばしと短い尾羽です。多くの小鳥は木の実を食べる時、細いくちばしでくわえて丸呑みにし、種を糞で出して、種子散布に貢献していますが、シメは、その大きなくちばしで、堅い木の実をかみ砕き割って食べることが出来ます。また、サクラの季節になると花や蜜を求めてサクラの木を訪れ、花を散らしながら食事をする様子がみられますので、花見の時に注意深く観察すると、桜の背景にシメがみれるかもしれません。

シメのもう一つの特徴は、翼の先端近くにある風切羽の形と色です。初列(しょれつ)風切羽の一部の先端が出っ張っていて青色の光沢があります。この羽根の特徴は雌雄ともあるようで、なぜこのような装飾が施されているか理由はよく分かっていません。生き物は不思議だらけですね。

バードカービングにおけるハビタット

ハビタット(Haitat)の本来の意味は、動物や植物が自然界で生活・繁殖する「生息地」「自生地」を指しますが、バードカービングにおける「ハビタット」は、鳥が自然環境でとまる枝、草、石、流木などの「生息環境(ハビタット)」を再現したものを指します。木彫りの鳥にリアルな風景を添えることで、その場の空気感や生命力を表現する重要な要素です。下のシジュウカラは桜の枝にとまっている姿ですこの枝は、真鍮管を太い径から細い系の管に継いで、枝の表面はパティを薄く延ばして質感を出します。葉っぱは、本物をトレースして薄い銅板をカットしたものに、銅線をはんだ付けし、葉脈を鉄筆で出します。その後、枝にはんだ付けし、、表面にジェッソを下塗りし、アクリル絵の具で彩色します。

前回のブログのアオジの足元にあるケヤキの葉や下のサクラの枯れ葉の作製も同様ですが、虫食いは、その部分をヤスリやカッターで切り取ります。その後、表面にジェッソを下塗りし、アクリル絵の具で彩色します。

また、下のスズメの足元にいるカナブンは、ボディは木の小片から削り出し、脚は細い銅線、目玉は極小のビーズを付け、彩色(絵具には、光沢を出す特別なパウダーを混ぜました)し、作製しました。

このように書くのは簡単ですが、このハビタット作製には、鳥本体よりも時間を要することもあります。出来るだけ、本物に近く再現して、さりげなく、鳥と共存させる。作る者にしか分からない「こだわり(自己満足?)」でしょうか。

アオジ、ベニマシコ

先日、勤務していた会社のOB/OG会中部支部のデジカメクラブの遠藤さんにお願いして、内藤記念くすり博物館に展示していただいている作品の写真を撮影していただきましたので、これから何回かに分けて、ご紹介します。


アオジ

アオジは、ホオジロの仲間でだいたいスズメくらいの大きさの鳥です。秋冬は越冬のため平地に下りてきてきます。アオジは胸から腹が黄色にまだら模様ですが、なぜかアオジという名前です。アオジの名前は、オスの頭部が「緑灰色」をしていることに由来します。江戸時代までは緑色を「青」と表現したため、緑がかった鳥を「アオ」と呼びました。後半の「ジ」は、ホオジロ類を指す古名の「シトド」が転じたものとされています。黄色い腹部より、緑色の頭部が名前の基準となっています(出典:Anpapa@B級野鳥図鑑)。

「チッ、チッ、チッ」と鋭い声で鳴きますが、藪の中から聞こえるのでなかなか姿を見ることが出来ません。声はすれども姿は見えずです。少し離れて静かにしていると藪から道に出てくるので、そっと待ちましょう。

ベニマシコ

ベニマシコは、冬鳥で、アオジと同様、いつもは藪などの茂みの中に棲んでいます。アオジは比較的よく見かけますが、ベニマシコは探鳥会でもなかなかお目にかかることが出来ない鳥ですが、一度見たら忘れられない鳥でもあります。大きさは全長15cm程度、雄は、頭と背面、下面が赤く、翼と尾は白と黒で、冬場にはとても目立ちます。それに比べ雌は全体が茶褐色で本当に地味です。ベニマシコはヒワの仲間ですが、マヒワの細いピンセットのようなくちばしに対して、ベニマシコのくちばしは小型で丸く、硬い草の実の殻を割るのに適しています。ダーウィンのみつけた「適応放散」ですね。


ツバメ作製しました

会社の元同僚の奥様から、ツバメの作製をご依頼いただきました。ツバメの作製は初めてでしたので、事前にwebなどからツバメに関する情報や写真などの資料を収集しました。

ツバメは繁殖のために、春に日本に渡来して秋ごろまで過ごす夏鳥,いわゆる「渡り鳥」です。優れた帰巣本能を持ち、一度巣作りをした場所に、毎年、巣をかけて子育てすることから、幸運や家庭円満の象徴とされ、古くから人間に親しまれています。ただ、最近、餌となる昆虫の減少(農薬使用や環境変化)、巣作りの場所の減少(西洋風家屋の増加、軒がない建物、巣の撤去)などにより、日本全国でツバメは減少傾向にあることが心配です。

ツバメは、色彩的に光沢のある青黒い背中、白いお腹、赤褐色の喉が特徴です。

また、ツバメの体形は独特で,大きくて長く尖った翼に燕尾服(えんびふく)の由来にもなった長く二股に分かれた凹型の尾羽,短いけど幅広の嘴、という特徴があります。これはツバメの生活パターンに関係しており,尖った翼は高速飛行の得意な鳥の特徴、体に対して大きな翼や凹型の尾羽は小回りの利く飛行,長い翼は渡りのときの長距離飛行に有利なのだそうです。また,短くて幅の広い嘴は大きく開き,飛んでいる昆虫を捕らえるのに適しています。

もう一つのツバメの形態的特徴は足が短いことです。それには、いくつかの理由があると考えられています。

① 空中生活への適応:ツバメは飛行時間が非常に長く、生活のほとんどを空中で過ごしていることから地上を歩いたりするための長い足は必要がない。

② 空気抵抗の低減: 短い足は飛行中の空気抵抗を最小限に抑え、エネルギー効率の良い飛行を可能にする。

③ 巣への出入り: 巣は通常、壁や軒先などの垂直な場所や狭い隙間に作られるので、短い足は、これらの狭い場所や巣への出入りに適している。

このように、ツバメは、短い足と対照的に、速く飛ぶための長くて鋭い翼と、飛行中に昆虫を捕らえるための広い口といった特徴的な身体的特徴を持っており、これらの特徴から、彼らの空中での生活様式に完全に適応していることがよく分かります。

シマエナガ その2

シマエナガの作製依頼を複数いただいております。この春の鳥展でもギフトコーナーには沢山のシマエナガのグッズが並んでおりました。特に女性の方の人気は絶大ですが、元々のエナガをご存じの方が少ないことに驚いています。

さて、シマエナガというと「冬の北海道の厳しい寒さ」というイメージですが、連日の体温越えの猛暑の、クーラーを利かせながら、冬の北海道をイメージしながら作製しています。今回の作品は、頭全体を90度真横にした姿にチャレンジしました。頭の位置、くちばしが短く、顔に埋もれそうな感じなので苦労しました。

いろいろなご要望をいただきながらの作製は、自分としてもとても勉強になります。

次は、どのような作製依頼をいただけるのでしょうか。。。

展示会終了しました!皆さんに感謝!!

5月12日から16日の5日間、愛知県一宮市市役所本庁舎14階市民ギャラリーで開催しましたバードカービング展示会を無事終わることが出来ました。お忙しい中ご来訪いただいた方々に深く感謝いたします。最初は口コミなど人的ネットワーク頼りで集客も低調でしたが、展示会中日の5月14日の中日新聞朝刊の尾張版(地方版)にこの展示会の記事が掲載されてから、大変多くの方々にご来訪いただき、作品をご覧いただきました。メディアの影響力を感じました。最終日は予定外で一宮市の中野市長にもご来訪いただき作品をご覧いただきました。

今回の展示会を通じて、バードカービングに対する認知度が深まると共に参加された野鳥に対する関心が高まり、愛鳥週間の企画としては成功ではなかったかと個人的に感じております。

最後に、またこのような展示会の開催を企画して欲しいとのご要望を多数いただきました。次回に向けて頑張ります。ありがとうございました。


明日(5/12)展示会初日です!

昨日から今年の愛鳥週間が始まりました。

この愛鳥週間の期間に合わせて、告知通り、バードカービング展示会を一宮市役所本庁舎14階の市民ギャラリーで開催します。準備万端とはいかないまでも、可能な限りご覧いただく方々にバードカービングとはどのようなものかを分かっていたければとの思いでこれまで精いっぱい準備してきました。

明日の朝は、展示会場設営のお時間をいただくことになりますのでご容赦願います。

沢山の方々のご来訪をお待ちしております。

バードカービング展示会開催決定!

前回ホームページに記事をアップしてから大分時間があきました。申し訳ございません。

さて、今年のバードウィークの期間中にバードカービング展示会を開催することが決まりました。開催日時は、5月12日(月)から16日(金)の5日間、場所は愛知県一宮市 一宮市役所本庁舎14階の市民ギャラリーです。展示会では、これまでの自分の作品(20数羽)と共に、「バードカービングの作り方」としてバードサービングの作製過程が分かるような展示もあります。期間中はどなたでも自由に見学できます。会場でお会いできることを楽しみにしております。展示会のポスターを添付しました。